《スペーサー》

・令和05(2023)年 –
・コンクリートスペーサー、爪楊枝

 コンクリート打設の際に鉄筋とコンクリート表面の間隔を保持するための用品、スペーサーを使った造形。爪楊枝をスペーサー側面の気泡に引っ掛ける様にして橋渡ししながら、スペーサーを一定間隔に並べる。爪楊枝の長さは65mm、スペーサーの面同士の間隔は55mm。
 一定の長さの楊枝の両端を、それよりも短い一定距離で向かい合うスペーサー側面の中の、不規則な位置に固定していくことで、スペーサの間に、特定の範囲内で変化する角度を持った線が現れる。

緩やかな凸面に並べる。
沿って曲げる。

 令和6年3月、これまで一定にしていた、隣り合うスペーサーの面同士の間隔を自由にした。




 代わりに楊枝の配置方法を制約したもの。

 下二つの条件を満たす状態を作ることのできる気泡のうち、それぞれのスペーサー側面の中で、最も大きい気泡二つを使う。
 ・真上から見て楊枝が交差しない。
 ・楊枝が安定して保持される。

 これまで、スペーサーの配置を制約し、その配置によって楊枝が作る、一定の範囲で変化する角度を持った線に注目していたが、逆に楊枝の配置方法を制約してみると、スペーサー側面内の気泡の入り方によって、隣り合うスペーサー同士の位置関係が規定され、その連続によって、より大ぶりに動く、予測しにくい線を生み出すことができた。




 さらに楊枝の配置方法の制約も無くし、地面の形を拾いながら、ごく自由に曲げたもの。