《境域態》

・令和5(2023)年
・木箱、釘

・440×330×225mm

 海岸に漂着した木箱を、部材の裏表を逆にして組み直したもの。外に出てゐる面は、元の箱の内側の面、内に向いてゐる面は、元の箱の外側の面。

「もちろん食料の配給はありましたよ。ウトロへの配給は特殊で、秋に越冬物資が半年分一度に来るんです。網走から大きな船でやって来るのですが、シケのために順調に来れないこともありました。それ以外は全部自分たちでやっていきました。漁の方はウトロはコナゴやニシンがすごく捕れたんです。ニシンは6月が最盛期。7月はオオナゴ、秋にはサバの子やニシンの子が捕れたんです。あの魚たちはどこにいってしまったんでしょうね」
(斜里町立知床博物館展示「古老に聞く 戦後50年むかしの斜里を知る –– 浜の暮らしを振り返って 何もないところからの再出発でした 福田ウタ子さん」、令和5年8月15日観覧)